WordPressドメイン変更を伴う移管
完全手順ガイド【SEO影響最小化】
ブランドリニューアル・独自ドメイン取得・ドメイン整理などでドメインを変更しながら移管するパターンです。URLが全て変わるためSEOへの影響が最も大きく、301リダイレクトの正確な設定とSearch Consoleへの移転通知が必須です。正しく実施すれば評価の80〜90%以上を新ドメインに引き継ぐことができます。
📋 目次
🗺️ 1. 全体フローと必須追加作業
ドメイン変更を伴う移管は、サーバー会社間の移管にURL変更対応が追加されます。大きな流れは以下の通りです。
- 新ドメイン取得・TTL短縮・バックアップ
- 新ドメインでサーバー設定・SSL発行・WordPress仮インストール
- コンテンツ移行(プラグインまたは手動)+DBのURL一括置換
- 旧ドメインの全URLに301リダイレクト設定
- Google Search Consoleで「アドレスの変更」通知
- Analytics・SNS・外部サービスのURL更新
- 旧ドメイン全URL → 新ドメインへの301リダイレクト設定
- DBのURL一括置換(旧ドメイン→新ドメイン)
- Google Search Consoleでのアドレス変更通知
- 新ドメインのXMLサイトマップ送信
- Google Analytics・SNS・外部サービスのURL更新
📊 2. SEO影響の現実と対策の考え方
Googleは301リダイレクトによってPageRank評価を完全に引き継ぐことができると説明しています。実務的には80〜90%以上の評価が引き継げるとされており、適切に設定すれば長期的に元の順位水準に戻ります。
- 旧URLのSEO評価を新URLに引き継ぐ
- 旧URLへのバックリンクの価値が継続
- ユーザーが旧URLにアクセスしても自動転送
- 移行後3〜6ヶ月で順位が安定
- 旧URLのSEO評価がゼロにリセット
- 旧URLへのバックリンクが無効化
- 旧URLユーザーが404エラーを受ける
- 新ドメインのSEOをゼロからスタート
移行後のSEO変動タイムライン(目安)
① 旧URL → 対応する新URLへ1対1で301リダイレクトする(URLパス構造を維持できると理想的)
② 移行後すぐにSearch ConsoleでAddress Change(アドレス変更)を設定する
③ 新ドメインのサイトマップをすぐ送信してGoogleのクロールを促進する
🔧 3. 完全手順(6ステップ)
新ドメインを取得する
お名前.com・ムームードメインなどで新ドメインを取得します。早めに取得しておくと作業がスムーズです。
旧ドメインのDNS TTLを300〜600秒に短縮する
変更後24時間以上待ってから次の作業に進みます。後のDNS変更の伝播が速くなります。
完全バックアップを取得する
UpdraftPlusなどで旧サイトのファイル+DBをバックアップし、ローカルPC+クラウドストレージに保存します。
現在のSearch Console・Analytics状況をスクリーンショットで記録
移行前の順位・クリック数を記録しておくと移行後の変動を比較できます。
新ドメインをサーバーに追加・設定する
サーバー管理パネルから新ドメインを追加します。新サーバーを使う場合は契約・初期設定を行います。
新ドメインのSSL証明書を先に発行する
先にSSLを発行してhttpsを有効化してから移行作業を進めるとhttp/https混在を防げます。
DBを作成・WordPressを仮インストールする
新ドメイン用のMySQLデータベースを作成し、WordPressをインストールします(この後インポートで上書きされます)。
All-in-One WP Migration / FTP+phpMyAdminでデータを移行する
プラグイン移行はサーバー間移管と同じ手順です。詳細は サーバー間移管ガイド を参照してください。
【重要】DBのURL一括置換(旧ドメイン→新ドメイン)
Better Search Replaceプラグインで全テーブルを対象に以下を置換します。
・検索:https://旧ドメイン.com
・置換:https://新ドメイン.com
必ずドライラン(テスト実行)で件数確認後に本実行してください。シリアライズデータも安全に処理されます。
管理画面のURLが新ドメインになっていることを確認する
設定 → 一般 で「WordPressアドレス(URL)」「サイトアドレス(URL)」が新ドメインになっていることを確認します。
新ドメインのDNSを設定してサイトを公開する
新ドメインのネームサーバー/Aレコードを新サーバーに向けます。伝播後、hostsファイルまたは通常アクセスでサイト表示を確認します。
新ドメインのサイトが正常に表示されていることを確認してから実施します。設定方法の詳細は セクション4 をご参照ください。
旧サーバーの.htaccessに全URL転送コードを追記する
FTPで旧サーバーの.htaccessを取得し、全リクエストを新ドメインへ301転送するコードを追記してアップロードします。
旧ドメインでのリダイレクトが正常に動作することを確認する
ブラウザで旧ドメインのトップページ・各記事URLにアクセスし、新ドメインに転送されることを確認します。
新ドメインをSearch Consoleに追加・所有権確認する
Google Search Consoleで新ドメインのプロパティを追加し、HTMLファイル/DNSレコード等で所有権確認を完了します。
旧ドメインの「アドレスの変更」ツールで移転通知する
旧ドメインのSearch Console → 設定(歯車アイコン)→「アドレスの変更」→ 新ドメインを選択して「確認して更新」。これにより旧ドメインのSEO評価を新ドメインへ正式に引き継げます。
※要件:①両ドメインで所有権確認完了 ②旧全URLの301設定完了
新ドメインのサイトマップを送信する
新ドメインのSearch Console → サイトマップ から https://新ドメイン.com/sitemap.xml を送信します。XMLサイトマップが未作成の場合はYoast SEO等のプラグインで作成します。
Google Analyticsのストリームを更新する
GA4:管理 → データストリーム → 対象サイトのストリームURLを新ドメインに変更します。旧ドメインのプロパティはすぐ削除せず残しておきます。
SNS・外部サービスのURLを更新する
X・Instagram・FacebookページのプロフィールURL、Googleビジネスプロフィール、メールマガジン等を新ドメインに変更します。
Contact Form 7等のreCAPTCHA設定を更新する
reCAPTCHAはドメイン単位で登録が必要です。Google reCAPTCHAの管理画面から新ドメインを追加してください。
被リンクサイトへの更新連絡(可能な範囲で)
パートナーサイト・掲載メディアなどがあれば新URLへの更新をお願いします。301で評価は引き継がれますが、直接リンク修正が最も確実です。
⚙️ 4. 301リダイレクトの設定方法詳解
方法①:.htaccessファイル(Apache サーバー・最も確実)
旧サーバーの.htaccessファイル(WordPressルートにある)の先頭に以下を追記します。
ドメイン変更のみ(URLパス構造が同じ場合)
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^old-domain\.com$ [OR]
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.old-domain\.com$
RewriteRule ^(.*)$ https://new-domain.com/$1 [R=301,L]
http → https へのSSL化も同時に行う場合
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} off [OR]
RewriteCond %{HTTP_HOST} !^new-domain\.com$
RewriteRule ^(.*)$ https://new-domain.com/$1 [R=301,L]
方法②:Redirectionプラグイン(GUI操作・初心者向け)
- 管理画面 → プラグイン → 新規追加 で「Redirection」をインストール・有効化
- ツール → Redirection → 「サイト」タブを開く
- 「ドメインに引っ越し」欄に新ドメインのURLを入力して保存
- ブラウザで旧ドメインにアクセスして転送を確認
方法③:サーバーパネルのリダイレクト設定
エックスサーバー・ConoHa WING・ロリポップなど主要レンタルサーバーには管理パネルにURLリダイレクト設定機能があります。各サーバーの管理画面で「リダイレクト」「URL転送」などのメニューを探してください。HTMLの知識がなくても設定できます。
| 方法 | 難易度 | 安定性 | 推奨シーン |
|---|---|---|---|
| .htaccess | 中級 | ◎ 最も安定 | 確実に設定したい・Apacheサーバー |
| Redirectionプラグイン | 簡単 | △ プラグイン依存 | GUI操作で手軽に設定したい |
| サーバーパネル | 簡単 | ○ サーバー依存 | 初心者・対応サーバー利用 |
✅ 5. 移行後の確認チェックリスト
🔀 リダイレクト確認
- ☑旧ドメインのトップページが新ドメインに301リダイレクトされる
- ☑旧ドメインの記事URLが新ドメインの同一パスに転送される
- ☑www有り・無しの両方でリダイレクトが機能する
- ☑ステータスコードが301(302ではない)になっている
- ☑リダイレクトチェーン(A→B→Cと複数回転送)が発生していない
🌐 新ドメイン動作確認
- ☑新ドメインでhttps://が正常表示・SSL鍵マーク🔒確認
- ☑全ページのURLが新ドメインになっている
- ☑画像・内部リンクがすべて新ドメインURLを使っている
- ☑管理画面のWordPressアドレス・サイトアドレスが新ドメインになっている
- ☑パーマリンク設定を保存し直した(設定 → パーマリンク → 変更を保存)
📊 SEO・外部サービス確認
- ☑新ドメインをGoogle Search Consoleに追加・所有権確認完了
- ☑旧ドメインSearch Consoleで「アドレスの変更」設定完了
- ☑新ドメインのXMLサイトマップをSearch Consoleに送信済み
- ☑Google AnalyticsのストリームURLを更新済み
- ☑SNS・Googleビジネスプロフィール等のURLを更新済み
- ☑reCAPTCHAに新ドメインを登録済み
🔨 6. よくあるトラブルと対処法
.htaccessの条件指定が不適切で新サーバーでもリダイレクトが繰り返されています。旧ドメイン用のリダイレクトコードは旧サーバーのみに書き、新サーバーの.htaccessには書かないことが基本です。新サーバーの.htaccessを確認して旧ドメイン宛のリダイレクト記述があれば削除してください。
Better Search ReplaceでのURL置換が不完全です。http://旧ドメイン(httpsなし)や//旧ドメイン(プロトコル省略)など複数パターンで再度実行してください。置換後にページのソースを表示して旧ドメインが残っていないか確認します。
①旧・新両ドメインの所有権確認が完了しているか、②旧ドメイン全URLが301リダイレクトされているかを確認します。Search Consoleの「URL検査」で旧URLが301を返しているかを確認してください。
ドメイン変更直後の変動は正常な反応です。通常3〜6ヶ月で安定します。確認事項:①Address Changeが正しく設定されているか ②全ページの301リダイレクトが機能しているか ③サイトマップが送信されているか ④内部リンクが新ドメインURLになっているか。これらを確認して問題なければ待ちましょう。
旧ドメインでリダイレクトを設定するには旧サーバーが稼働している必要があります。旧サーバーを解約する場合は、事前にドメインレジストラ側でURLフォワーディング(転送設定)に切り替えるか、旧サーバーを長期間維持してください。
❓ 7. よくある質問(FAQ)
Q. 301リダイレクトはいつまで維持すればいいですか?
永続的に維持するのが理想です。旧ドメインへのバックリンクが存在する限り、リダイレクトを維持することでSEO評価が新ドメインに流れ続けます。最低でも1〜2年は必ず維持し、旧ドメインの契約も継続してください。旧ドメインを手放すと悪意ある第三者に取得されるリスクもあります。
Q. ドメイン変更と同時にURL構造(パーマリンク)も変更できますか?
可能ですが、URLパス変更が加わることでSEOへの追加リスクがあります。可能であればドメイン変更とURL構造変更のタイミングを分けることを推奨します。同時に変更する場合は、各旧URLから対応する新URLへの1対1リダイレクトをRedirectionプラグインで設定してください。
Q. 旧ドメインのcontentがGoogleにインデックスされたままです。
301リダイレクトを設定すると、Googleは数週間〜数ヶ月かけて旧URLのインデックスを削除して新URLに切り替えます。Search ConsoleのAddress Changeが設定されていれば、Googleの処理が促進されます。急いで旧URLを削除したい場合はSearch ConsoleのURL削除ツールを使えますが、301リダイレクトが正常に機能していれば通常は特別な操作は不要です。
Q. canonicalタグも更新が必要ですか?
はい。Better Search ReplaceでDBのURL置換を行った際に自動変換されているはずですが、Yoast SEO等のプラグイン設定に旧ドメインURLが残っている場合があります。いくつかのページのソースを確認して rel="canonical" タグが新ドメインになっていることを確認してください。