① WordPressの成り立ちと歴史

WordPressは2003年5月27日、Matt Mullenweg氏とMike Little氏によって、既存のブログツール「b2/cafelog」のフォーク(派生)として公開されました。当初はブログ作成ツールという位置づけでしたが、プラグインやテーマによる機能拡張が可能な柔軟な設計により、現在では企業サイト・ECサイト・ポートフォリオなど、あらゆる種類のWebサイトに対応するCMS(コンテンツ管理システム)へと発展しています。

大きな転換点として、2016年にはREST API(外部システムとの連携機能)が標準搭載され、2018年(バージョン5.0)には編集画面が「ブロックエディタ(Gutenberg)」に刷新されました。近年はブロックエディタの仕組みをサイト全体のデザインにまで拡張した「ブロックテーマ(フルサイト編集)」への移行が進んでおり、コードを書かずに視覚的にサイト全体をデザインできる方向へと進化を続けています。

② 世界シェアの実態(最新データ)

WordPressは、CMSを利用している全世界のWebサイトの中で圧倒的なシェアを持っています。個人ブログから大手メディア、企業サイトまで幅広く採用されており、この採用実績の多さが「情報量の豊富さ」「プラグインの充実」という好循環を生んでいます。

約40〜43%
全Webサイトに占める割合
約60%
CMS導入サイトに占める割合
6万〜9万以上
公式・商用プラグイン数
シェアが大きいことのメリット利用者が多いということは、困ったときの情報がインターネット上に豊富にあり、プラグイン開発者も多いということです。この「エコシステムの厚み」がWordPressの最大の強みの1つです。なお、近年はWix・Shopify等のクラウド型サービスの成長により、WordPressの全体シェアはピーク時からやや微減傾向にありますが、依然として他のCMSを圧倒する規模を維持しています。

③ 運営体制とライセンス

WordPressの運営構造は、初めて知る人には分かりにくいポイントです。整理すると以下のようになります。

組織役割
WordPress開発コミュニティ世界中のボランティア開発者が、WordPress本体(コア)のソフトウェア開発を非営利で進めている
WordPress Foundation「WordPress」の商標管理や、プロジェクト全体を非営利目的で保護する財団
Automattic社創設者Matt Mullenweg氏が率いる営利企業。WordPress.com・Jetpack・WooCommerce等の商用サービスを提供

WordPress本体は「GPL(GNU General Public License)」というオープンソースライセンスの下で配布されており、誰でも無料で使用・改変・再配布できます。ソースコードが公開されているため、世界中のエンジニアがコードを検証・改善に参加できる点も、長期的な信頼性につながっています。

④ オープンソースという仕組み

WordPressは「オープンソースソフトウェア」として、ソースコードが公開され、誰でも自由に使用・改変・再配布できます。世界中の開発者コミュニティによってボランティアベースで開発・改良が続けられており、これが無料で高機能なCMSを実現している理由です。

⑤ 他のCMS・サイト作成サービスとの違い

種類特徴
WordPressオープンソース。自由度が高く、プラグイン・テーマで無限に拡張できる。自己管理が必要
Wix・ペライチ等のクラウド型サービスサーバー管理不要ですぐに始められるが、拡張性やデータの自由な持ち出しに制限がある
ShopifyECサイトに特化したクラウド型サービス。ネットショップ運営の機能が充実
Movable Type等の他CMSWordPressと同様のCMSだが、利用者数・プラグイン数で見劣りすることが多い

「自由にカスタマイズしたい」「将来的な拡張性を確保したい」という場合はWordPress、「とにかく手軽に、管理の手間なく始めたい」という場合はクラウド型サービスが向いています。

⑥ WordPress.comとWordPress.orgの違い

初心者が混同しやすいポイントとして、「WordPress.com」と「WordPress.org」の違いがあります。

WordPress.comWordPress.org
性質WordPressを使ったブログサービス(クラウド型)WordPress本体の配布元(ソフトウェア)
サーバー不要(WordPress.com側が用意)自分でレンタルサーバーを契約する必要あり
カスタマイズ性プランにより制限あり自由(プラグイン・テーマを自由に追加可能)
このサイトで扱っているのは本サイトで解説している「WordPress」は、基本的に自分でサーバーを契約して構築するWordPress.org版(セルフホスト型)を指しています。始め方はWordPress始め方完全ガイドで解説しています。

⑦ よくある質問(FAQ)

WordPressは本当に無料で使えますか?
WordPress本体(WordPress.org版)はGPLライセンスのオープンソースソフトウェアであり、完全に無料で利用・改変・再配布できます。ただし、実際にサイトを公開するにはレンタルサーバー代・独自ドメイン代が別途必要になり、高機能な有料テーマ・プラグインを使う場合はその費用もかかります。
WordPressは誰が運営しているのですか?
WordPress本体のソフトウェア開発は、世界中のボランティア開発者コミュニティによって進められています。商標管理やプロジェクト全体の非営利的な運営はWordPress Foundationが担い、WordPress.comやJetpack等の商用サービスは、創設者Matt Mullenweg氏が率いるAutomattic社が提供しています。この「非営利のオープンソースプロジェクト」と「商用企業」が併存する構造は、WordPressを理解する上で重要なポイントです。
WordPressの人気は落ちてきているのですか?
Wix・Shopify等のクラウド型サービスの成長により、WordPressの「全Webサイトに占めるシェア」はここ数年でやや微減傾向にあります。とはいえ2026年時点でも全Webサイトの4割超、CMSを導入しているサイトに限れば6割前後を占めており、依然として圧倒的なシェアを維持しています。

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