WordPressサイトを多言語対応するための2大プラグインがPolylangとWPMLです。Polylangは無料版で基本的な多言語化ができる軽量プラグインで、アクティブインストール800,000以上・総ダウンロード2,365万回以上という圧倒的な普及率を誇ります。一方WPMLは有料のみですが、WooCommerceとの完全連携・DeepL/Google/Microsoft自動翻訳・Yoast SEO/Rank MathとのSEO完全統合・大規模サイト向けの翻訳管理ダッシュボードなど業界標準と呼ばれる高機能を提供しています。このページでは両プラグインの機能・料金・URLの構成方式・使い分けの基準を詳しく解説します。
2プラグインの概要比較
- 開発:WP SYNTEX(フランス)
- アクティブインストール:800,000以上
- 最新バージョン:3.7.3(WordPress 6.8.2対応)
- 料金:Basic(無料)/ Pro(€99/年〜)/ WooCommerceアドオン(有料)
- WordPressの言語パック機能をコアに使った軽量設計
- hreflang属性の自動出力でSEO多言語対応
- ウィジェット・メニュー・メディアも多言語化
- WPML→Polylangへの移行ツール付き
- WordPress.org公式ディレクトリ掲載
- 開発:OnTheGoSystems(スイス)
- 料金:Multilingual Blog($29/年)/ CMS($99/年・推奨)/ Agency($399/年)
- WordPress.orgには登録なし(wpml.orgから購入)
- 65以上の言語対応・WooCommerce完全統合
- DeepL / Google翻訳 / Microsoft Azure自動翻訳連携
- Yoast SEO・Rank MathとのSEO完全統合
- 翻訳ダッシュボードでチーム翻訳管理
- ICanLocalizeの人間翻訳サービスと連携
- 専任サポート・30日返金保証
機能・料金 詳細比較表
| 比較項目 | Polylang(基本無料) | WPML(有料のみ) |
|---|---|---|
| 料金 | 無料版あり(Basic無料) | 有料のみ($29/年〜) |
| WordPress.org掲載 | 公式ディレクトリあり | (wpml.orgのみ) |
| 投稿・固定ページの翻訳 | (無料版で可) | |
| カテゴリー・タグの翻訳 | (無料版で可) | |
| メニューの言語別管理 | (無料版で可) | |
| ウィジェットの言語別管理 | (無料版で可) | |
| メディア(画像)の言語別alt属性 | (無料版で可) | |
| WooCommerce完全対応 | 有料アドオン「for WooCommerce」が必要 | (CMS以上で対応) |
| 自動翻訳連携(DeepL等) | Lingotekアドオン経由(無料10万文字まで) | (DeepL/Google/Microsoft) |
| hreflang属性の自動出力 | ||
| Yoast SEO連携 | △(基本動作はするが深い統合はPro推奨) | (完全統合) |
| URLのサブディレクトリ型 | (/en/ 形式) | |
| URLのサブドメイン型 | (en.example.com) | |
| URLの別ドメイン型 | (example.com / example.co.jp) | |
| 翻訳管理ダッシュボード | △(Pro版で強化) | (CMS以上で完全) |
| 人間翻訳サービス連携 | (ICanLocalize) | |
| ライトなインストール | (WordPressコア機能利用の軽量設計) | △(機能が多く重くなることも) |
| 日本語サポート | コミュニティフォーラムのみ | (日本語サポートページあり) |
Polylangの料金プラン
Polylangは無料版(Basic)で基本的な多言語化機能を提供し、より高度な機能はPolylang ProやWooCommerceアドオンで拡張できます。
- 投稿・固定ページの翻訳
- カテゴリー・タグの翻訳
- メニュー・ウィジェットの言語別管理
- メディアのalt属性・言語別管理
- 言語スイッチャーウィジェット
- ブラウザ言語自動検出
- hreflang属性の自動出力
- サブディレクトリ・サブドメイン・別ドメイン対応
- Basicの全機能
- 言語ごとのナビゲーションメニュー改善
- カスタム投稿タイプのより深い多言語化
- クラシックウィジェット・メニューのFSE対応
- Lingotekによる機械翻訳(10万文字無料)
- 優先サポート(ヘルプデスク)
- WPML to Polylang移行ツール
- Polylang Proの全機能
- WooCommerce商品・カテゴリーの多言語化
- カート・チェックアウトの言語別対応
- WooCommerce REST API対応
- 言語別の商品価格・在庫管理
WPMLの料金プラン
WPMLには無料版はなく、すべてのプランが有料のサブスクリプションです。年間更新契約(25%割引が適用される更新料あり)となります。
- 投稿・固定ページの翻訳
- 言語スイッチャー
- 複数サイトで利用可(ライセンス数制限あり)
- 翻訳管理・Eコマース非対応
- Blogの全機能
- WooCommerce完全対応
- テーマ・プラグイン文字列の翻訳
- DeepL/Google/Microsoft自動翻訳
- Yoast SEO・Rank Math統合
- 翻訳管理ダッシュボード
- ICanLocalizeの人間翻訳サービス連携
- CMSの全機能
- 複数クライアントサイトへの適用
- ホワイトラベル設定
- 代理店向けサポート
言語別URL構成の3タイプ(両プラグイン共通)
PolylangもWPMLも、言語を識別するためのURL構成として以下の3タイプをサポートしています。どちらのプラグインでも選択できます。
example.com/en/
en.example.com/
example.co.jp/
こんな場合はPolylang、こんな場合はWPML
Polylangが向いているケース
- コスト重視・まず無料で多言語化を試したい個人・小規模サイト
- ブログ・コーポレートサイト・ポートフォリオで日英2言語に対応したい場合
- WordPressの軽量・高速なパフォーマンスを維持したい場合
- 翻訳は自分でやる・自動翻訳不要な場合
- WooCommerceなし、または Polylang for WooCommerce アドオンで対応できる場合
- WPML から乗り換えてコストを削減したい場合(移行ツールあり)
WPMLが向いているケース
- WooCommerceの商品・カート・チェックアウトを完全に多言語化したいECサイト
- DeepL・Google翻訳・Microsoft Azureの自動翻訳をワークフローに組み込みたい場合
- Yoast SEO・Rank Mathとの完全統合でSEOを徹底管理したい大規模メディア
- 翻訳者チームがいて翻訳管理ダッシュボードで分業したい場合
- 100ページ以上の大規模コーポレートサイト・官公庁・国際企業のサイト
- 専任サポート・SLAが必要なプロジェクト
プラグイン選定フローチャート
よくある質問(FAQ)
- PolylangとWPMLはどちらを選べばよいですか?
コスト重視の個人・小規模サイトはPolylang無料版から始めるのが最適です。無料でも投稿・固定ページ・カテゴリー・タグ・メニューの多言語化ができます。一方、WooCommerceを多言語対応したい・Yoast SEO/Rank Mathとの完全なSEO連携が必要・DeepL自動翻訳を使いたい・大規模コーポレートサイトで専門サポートが必要というケースではWPML Multilingual CMSが有力です。初めての多言語化であればPolylangを試し、機能が不足してからWPMLへの移行を検討する方針が低リスクです。
- PolylangはWooCommerceに対応していますか?
Polylangは「Polylang for WooCommerce」という有料アドオン(WP SYNTEXが提供)を追加することでWooCommerceサイトの多言語化に対応できます。無料版のPolylangだけではWooCommerceの商品・カート・チェックアウトページの多言語化は完全にはできません。WooCommerceの多言語対応を行う場合は、Polylang + Polylang for WooCommerce、またはWPML Multilingual CMSのどちらかが選択肢になります。
- Polylangのサブディレクトリ型URL(example.com/en/)はSEOに有効ですか?
はい、サブディレクトリ型URL(example.com/en/)はSEO的に推奨される多言語URL構成の一つです。Googleはサブディレクトリ型・サブドメイン型・別ドメイン型のいずれも同等に扱えると説明していますが、ドメインのSEO評価を集約しやすいサブディレクトリ型は特に中小規模サイトに向いています。Polylangはサブディレクトリ・サブドメイン・別ドメインの3形式すべてに対応しており、hreflang属性の自動出力でGoogleに言語・地域を正確に伝えることができます。
- WPMLを使うとサイト速度が遅くなりますか?
WPMLはPolylangと比較して多くのデータをデータベースに保存するため、サイト規模によってはパフォーマンスに影響する場合があります。ただしWPMLは「WPMLがパフォーマンス問題を引き起こし修正できない場合は購入後12か月まで返金する」とパフォーマンス保証を明示しており、適切なキャッシュプラグイン(WP Rocket等)との組み合わせで多くのケースで問題なく動作します。Polylangはよりシンプルな設計のため、一般的にPolylangの方が軽量です。
まとめ:Polylang vs WPML 選択のポイント
WordPressの多言語化には、コスト・軽量性・無料で始めやすい点ではPolylangが、WooCommerce完全対応・自動翻訳・SEOプラグイン統合・大規模翻訳管理ではWPMLがそれぞれ優位です。
まず無料のPolylang Basicで多言語化を試し、機能が不足した場合にPolylang ProやWooCommerceアドオンへアップグレードするか、WPMLへ移行する(Polylangには移行ツールがあります)という段階的アプローチが、初めて多言語化に取り組む方には最もリスクが少なく推奨されます。WooCommerceサイトで最初から本格的な多言語ECを構築する場合や、専任翻訳チームがいる中規模以上のサイトではWPML Multilingual CMSから始める方が効率的です。